未経験でも1か月で簿記3級に合格した勉強方法をご紹介します。
事務方の社会人であれば、多くの方が新人時代に取得を促されのが「簿記」の資格ではないでしょうか。
この間、簿記3級を受験し、なんとか合格しましたので、勉強方法や試験の攻略方法についてご紹介していきます。
ちなみに私は経理等とは無縁の仕事をしていますが、他の職から見た「簿記」のメリットについてもご紹介していきます。
大学は理系で社会人になっても主にエンジニアとしてずっと仕事をしています。経理や財務といった仕事とは無縁ですが、株などの投資が好きだったので、財務表などには昔からよく見ていました。なんとなく、きちんと勉強してみようと思って受けてみました。
未経験でも1か月で簿記3級に合格した勉強方法をご紹介します。
簿記とはどんな資格なのか?
簿記とはお店や会社でのお金の流れをルールに従って記帳することを言います。仕事に使う家計簿のようなイメージです。
このお金の流れを記録する方法を身に着けれれば、自分のお店や会社の経営状態などを正確に表し、理解することができます。
経理部などの方は取得必須ですが、他の仕事の方でも取得している人が多いです。お金の流れを知ることは、営業にもエンジニアにも知っていると役に立つことが多いです。
社会人の資格としては1,2を争うほど有名な資格だと言えます。
簿記にも色々な種類がある
簿記試験と言うと、一般的には”日商簿記”のことを指すことが多いです。しかしながら、簿記の試験にも色々な種類があり、他にも”全商簿記”(商業高校の学生を対象)などがあります。今回は”日商簿記”の紹介をします。
日商簿記3級の試験内容
日商簿記3級は午前2時間の試験
日商簿記3級は1回2時間の試験となっています。3級は午前に実施されるので、朝早くから試験を受けることになります。
出題範囲は商業簿記で工業簿記は3級では出題されません。中小企業や個人商店などが問題となることが多く、比較的小規模な企業の決算等を行います。
午前試験 9:00-11:00時 (120分)
出題範囲 商業簿記
合格基準は7割以上!
合格は7割の70点以上となっています。簿記の勉強をしだすと、計算ミスなどが目立ち全体の7割取るのがとても難しく感じますが、実際には精算表などにおいて数字がすべて合っている必要はなく、部分的に合っていれば、点数がもらえます。
しかしながら、簿記は部分点だけで十分合格点を狙えるので、完璧を目指すよりも、取るべきところでしっかりと点数を取るように心がけます。
簿記3級の合格率はどのくらいか?
簿記3級の合格率は大体40%~50%となっています(難しい試験の回は20%台になることもあります。)
他の試験に比べて、比較的に合格率は高い試験だと言えます。
試験実施日程と受験費用について
試験は年に2~3回行われます。日程などは公式サイトをチェックするようにします。
受験費用は?!
2850円(税込)です。他のIT試験等に比べてもとてもリーズナブルな試験です。
当日は受験票を忘れずに
試験当日は受験票や筆記用具が必須になります。特に受験票は顔写真を用意して貼っておく必要があるので注意が必要です。
日商簿記3級の勉強方法や試験攻略方法
簿記3級に合格するための必要勉強時間
簿記3級に合格するための勉強時間は人それぞれですが、簿記が何なのか全くわからない状況から始めても、100時間程度あれば、十分合格圏内まで持っていくことができます。
2か月程度(1日2時間勉強)勉強時間を見積れば余裕を持って合格できるはずです。
ちなみに私は1か月で詰め込みましたが、余裕を持って試験に臨むことができました。
簿記が初めての方向けの勉強方法
まずは参考書で基礎を何となく理解する
私もそうでしたが、簿記の簿の字もわからない人はまず参考書をさらっと読むことをお勧めします。
何も知らない状況で簿記の問題に挑むと本当に訳が分からず混乱するはずです(そもそも漢字が読めなかったり、問題の意味がわからない)。
深くまで理解するのは問題を解く際で問題ないので、何となく全体を理解するようにします。
色々な参考書を立ち読みしましたが、お勧めの参考書は下記のテキストです。だいぶ古い本にはなりますが、イラストが多くストーリーに沿って説明されているので、頭に入りやすいです。また、100円程度で古本屋で購入できるのでお勧めです。
問題を解く際にはレファレンスとして使う
参考書をさらっと読んだ後でも、参考書はレファレンスとして使います。索引もわかりやすく試験のコツなどもちょこちょこ書いてあるのでとても親切な参考書でした。
お勧めの電卓はメモリ機能などが備わっており、小さすぎない打ちやすい電卓です。
参考書を見終わったら過去問を解きまくる
どんな試験でも言えることですが、合格への最短ルートは過去問を解くことです。
基礎をざっくりと理解したら、過去問を解きまくります。初めの方はわからなかったらすぐに解答を見て答えを覚えるように進めていくのがコツです(簿記は考えてわかるようなものではないので、すぐに解答を暗記します。)。
過去問を解くのはとても大事ですが、近年頻繁に新しい分野(例えばクレジットカード決済など)が追加されたり、逆に古い分野が廃止されたりしています。
どんな過去問でも基本は問題ないですが、廃止された分野が新しい分野に置き換わっている下記の過去問はお勧めです。無駄なく勉強することができ、新分野も網羅しているので、とても役に立ちました。
簿記3級の試験攻略方法
時間配分はしっかり行う
簿記3級では時間に追われるようなことあまりありませんが、時間配分をしっかりと行うに越したことはありません。
ざっくりと問1,2,4は15分程度、問3,5は30分程度を目安にして解くようにします。左記の時間を超える場合は一旦次の問題に進むことをお勧めします。
問1、2、4に掛けていい時間 :15分程度
問3、5に掛けていい時間 :30分程度
各問別の攻略方法
問1の攻略方法(20点)
問1では仕訳問題が5題出題されます。
基本の仕訳が出てくるので、しっかりと過去問を解いて仕訳を覚えるようにします。ここは簡単な割に20点も配点されているため、確実に満点近くを狙っていきたいです。
近年3級に追加された、消費税やクレジット売掛金など新しい分野が出がちな部分ではあるので、しっかりと新分野を理解しておくようにしておけば、より安心です。
問2の攻略方法(8-10点)
問2では”商品有高帳”や”売掛金・買掛金元帳”といった帳簿記入の問題がよく出題されますが、毎回決まった問題がなく範囲は広いため、1番対策が難しい問でもあります。
ただし、あまり配点が高くないので、時間がない方は第2問は捨てるという選択肢もありです。
稀に勘定記入の問題が来る場合もあるので、時間がある場合はしっかりと勉強することお勧めします。
問3の攻略方法(30-32点)
問3では、試算表の作成の問題がほぼ毎回出題されます。
出てくる仕訳や問題内容も似たようなものが多く配点も高いので、確実に点を稼ぎたい問になります。
問題自体は難しくないですが、計算をたくさんするので、ケアレスミスなどを如何に無くせるかがカギとなってきます。
試算表の作成には、T勘定を使ったり、仕訳をずらっと書いた後に計算するなど色々な方法があるので、早いうちに自分にあった解き方を身に着けるとよいです。
問4の攻略方法(8-10点)
問4では伝票会計の問題がよく出題されます。難易度はそこまで高くなく、基本がわかっていれば問題なく解けることが多いです。
そのほかにも語句記入などで、名称等を書かせられる問題も出てくることがあるので、仕訳の名前などは時間があれば漢字でしっかりと書けるようにしておきたいです。
問5の攻略方法(30-32点)
問5では精算表作成の問題か財務諸表作成の問題のほぼどちらかが出題されます。
問3に似ており、出題内容や傾向は毎回に似ているので、確実に点を取りたい問です。経過勘定項目(未払費用等)の計算問題などは頻出なので、きちんと計算できるようにします。
計算が多いので、ケアレスミスに気を付けて問題を解く練習をすることが大切です。
経理等ではない社会人が簿記を取得するメリット
簿記なんか自分の仕事とは無縁だと思っていませんか?そんな経理等ではない社会人が簿記を取得するメリットを紹介していきます。
簿記を取ることのメリット
どんな仕事にも役に立つ
一見簿記とは関係なさそうな営業やエンジニアだって仕事に活かす機会はたくさんあります。
お金の流れが読めるようになると、企業の業績を把握でき、業務改善などの提案がより具体的に提案できるようになったり、エンジニアにとっても材料費から原価の計算をしたりなど、今まで知らなかっただけで簿記の知識が役に立つ場面がたくさんあります。
どんな職種でもお金は関わっているので、簿記の知識は役に立つのです。
転職や就職に強くなる
簿記を持っているだけで、転職や就職には有利に働きます。
それだけでなく、企業の財務表などが読めるようになることで、企業の経営状態などを理解することができ、よい会社を財務の面から判断できるようになります。結果、良い会社に就職やキャリアップできる可能性が高くなります。
経済をより深く理解できる
今まで理解ができなかった財務表などが理解できることで、経済をより深く理解できるようになります。
今までなんとなく見ていた経済面のニュース一覧をより深く知れることで、新たな気づきや発見あるはずです。
そこからビジネスチャンスであったり、投機や投資の機会を見つけることもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?簿記3級は社会人の方であれば、どんな方でもお勧めできる資格です。ぜひキャリアアップや自己研磨のために簿記にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。