生産技術が激務できついと言われる理由は何なのか?私の体験談をご紹介します。

新しい会社に入社し、研修も終われば、待ちに待った配属発表。

エンジニア(技術職)として入社した人々にとっては、本社に居ながら開発を行うのか、またまた工場に飛ばされ生産技術として働くのか、大きな分岐点になるはずです。

そんな私は技術者として最初の会社に入り、配属はなんと田舎の工場の生産技術職でした。

あまり人気がない生産技術職

どこのメーカー企業でも生産技術になりたい人はあまりいないのが一般的です。先輩やOBより激務だとは聞いていましたが、海外に行く機会が多いと聞いていた生産技術者を志望し、無事工場配属となりました(大抵、希望すれば通るのが、生産技術職です。)

それから数年たって、会社を辞める

さて、結局新卒で入った企業は数年で辞め、今は全く違う職に就いています。理由はいくつかあるのですが、一つの理由は激務だからです。

正直、これから技術者になる人にとって生産技術者はあまりお勧めはしません。

今回は生産技術者はなぜきついのか?その理由を紹介していきます。

私が2年目で企業を辞めた理由
その前に生産技術者とは?

生産技術者は各工場の生産ラインのレイアウト設計から、機械設計、制御設計、作業者の配置や作業効率化のための手順作成等、生産の全てに関わります。

立上げから生産、生産終了まで、幅広い仕事に携わるため、幅広い分野の知識が必要となってきます。また、商品開発の際から生産技術が関わることは珍しくなく、文字通り最初から最後を見届けるのが生産技術者です。

生産技術者が激務できついと言われる理由について

年末年始、GW、土日祝日が潰れる

生産技術者は設備の設計から、設備の修正や改造等を行うのですが、その殆どが土日や祝日での工事となります。

日中はラインを止めることができないので、結局祝祭日のラインが止まっている時に仕事をすることになります。

そのため、長期連休を取るのが難しく、休みが不定期になりがちになります。

年間休日は休日出勤が多いため、他の技術職に比べると圧倒的に少ないです(お金は稼げます。)。

トラブルに巻き込まれやすい

生産設備が急に故障することはよくあることです。しかしながら、ラインを止めることは売上を下げることを意味するため、復旧作業が最優先業務として、いきなり組まれることが多々あります。

トラブルの程度にもよりますが、復旧するまで何日も帰れなかったりすることもあります。

しかしながら、日常の業務の中にトラブルは含まれていない

上記の生産設備の故障等は結構の割合で起こるのに関わらず、日々の設計業務等はみっちりと入っているため、トラブルが起これば残業確定(何週間も)となります。

このように、予期していない業務が急に入るのが生産技術者が激務と言われている所以です。なかなか仕事の量をコントロールするのが難しいです。

納期がきついことが多い

製品を作る際に、開発や品質評価などの上の工程から進んでいくのですが、最後がライン設計し製品を生産する生産技術の仕事となります。

その際に全体のプロジェクトの納期が決められるのですが、一番最後の納期(生技の納期)は受注頂いているお客様に合わせられます。

上流工程から作業が進んでいくのですが、これがドンドンと延期になっていくことが多々あります(本当に開発と生技の納期感の違いに何度も苦しめられました。)。

そして、そのしわ寄せが生産技術に襲い掛かってきます。

最後の砦として、残業を何十、何百時間してでも働き、会社を守るのが生産技術の仕事なのです。

他部署からの板挟みに合いやすい

生産技術は色々な部署と関わります。ラインの設備を作り始める際には開発の部隊や品保の部隊、そして生産が始まると現場の製造部隊や品質保証の部隊などほど、技術者と呼ばれるほぼすべての部と折衝をしないといけないのです。

そして、生産に問題が出れば、製造部隊や品質保証等から色々と苦情を受けるのも生産技術の仕事です。

何かと社内的な立場が低いのが生産技術でもあります。

危険と隣り合わせ

生産設備は危険が伴うことが多いです。高圧であったり、高電圧であったりと、少しのミスで人が死んでしまうほどの危険と隣合わせの仕事をします。

自分はもちろん、作業者に何かあった際は、その責任が設備の設計者に来ます。開発で人を傷つけることは殆どないですが、生技の設計や開発では一つのミスが作業者の命に係わる場合が多くあります。

常に失敗が許されない環境での業務はプレッシャーが多く掛かってきます。

コスト管理が厳しい

売り上げや原価から利益を算出するのも、生産技術の仕事です。リアルに数字が出てくるので、現場はコストダウンを図ろうと躍起になり、常に張り詰めた環境で効率を常に求めながら働く必要があります。

工場がど田舎にある

メーカーの工場は山の中などにあることも多く、仕事でのストレスをリフレッシュする方法もなかなか見つからなかったりします。

何もやることがないため、休日でも頭の中は仕事のことばかり、心配になり休日に出勤することも多くなりがちです。

振替休日ほど恐ろしい

設備の改造等があるため土日出勤が多くなり、その分平日にお休みを貰うのですが、嵐のように掛かってくる電話がかかってくる事も多々あります。

休んでいる間に自分の設備にトラブルがあったなんていう電話があれば、休まるものも休まらず、仕事ができないことに悶々としてしまいます。

まとめ

いかがだったでしょうか?生産技術職が他の技術職よりきつめであることは確かですが、その分やりがいがあったり、海外へ行く機会が多い等、良いこともあります。

しかしながら、生産技術者としてやっていくためには、ある程度の覚悟が必要となってきます。

もしきついと感じたならば、開発や他の分野なども視野に入れることをお勧めします。

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Nickey

Nickey

愛知県出身で、現在はベトナムのフエに在住。デンソーやNTTデータベトナムを経て、ベトナム法人 HD Global Consulting Co.,Ltd, を設立。 ベトナムから東南アジアを中心とした世界の面白いや少し役に立つ情報を発信しています。ベトナム人の妻を持つパパであり、日々ベトナム語と格闘中。

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