日本人にとって英語は難しい言語であるのか?その理由をご説明します。
第二言語を学ぶ動きは、ビジネスで必要に迫られているだけでなく、痴呆症の防止や認識力を向上できることが世界の研究により発見されたことも起因して、活発になってきています。
そんななか、やはり日本では初めに学ぶ第二語学は日本の教育方針などもあり、英語の方が多いと思います。
日本人は英語が下手なのか?
巷でもよく言われる日本人の英語の低さ。留学等の経験がある方は、日本人の英語能力が他の国に比べてどのくらいか実感している人は多いと思います。
実際に日本人は英語が苦手なのか?という質問に対して、今まで色々な海外で働く日本人等も見てきましたが、個人的な印象としては日本人は英語が苦手な国民だと思っています。
冒頭のタイトル「日本人にとって英語は難しい言語であるのか?」という質問に対しての答えはYESです。ではなぜ、日本人にとって英語は難しいのか?その理由を今回紹介していきます。
アメリカ人にとって難しい言語は?
Voxyというアメリカの企業の発表によると英語のネイティブにとって一番学ぶのが難しい言語はアラビア語、中国語、韓国語、そして日本語が挙げられています。
テレビ等でもアメリカ人のタレントさんの日本語の発音を聞いていると、訛っている人が多い中、アジア圏の人ではとても綺麗な日本語を短期間でマスターしている人も少なくありません。
このように、英語と日本語は言語的には一番遠い関係にあるのです。
日本人にとって中国語や、韓国語はとても学びやすい言語と言われているように、下の表が日本人にとっては真逆になることがわかります。
参照 Voxy「What are the hardest language to learn」
日本人が英語が苦手な理由を考えてみました
英語は言語的に一番遠い言語
日本人が英語は苦手なのは言語学的にも一番遠い言語だからです。具体的には何が違うのか、難しく感じる点をまとめてみます。
文法が日本語と英語ではかなり違う
例えば、英語の日本語の文法の語順はかなり違います。英語では通常、「主語+動詞+目的語」の順番で文が組み立てられますが、日本語では「主語+目的語+動詞」の順番で分が組み立てられます。
また、日本語ではよく主語を省くこともありますが、英語ではあまりありません。
文法に大きな相違がある言語は、第二言語として習得するのはとても大変です。なぜなら、頭の中の母国語で考えて、翻訳し、発言するという行為ができないためです。
そのため、流暢に話したい場合には、英語脳を持つ必要が生じてきます(すべて英語で考え、英語で発信する)。一般的にこれには時間が掛かるため、日本語の話者にとって英語を学ぶのは他の国に比べると大きなハンデとなります。
日本語にはない発音が多くある
日本語は文字を重視する言語だとも言われます。漢字やひらがな、カタカナなど、何千以上の文字を使いその意味を判断する反面、発音に関しては他の国に比べ重要視しない言語でもあります。
それに比べ、英語はというと、発音で意味が変わって来る単語等が多く、発音方法から日本のものとはかなり違ってきます。
よく日本人が苦手だと言われる「R」と「L」の発音など、日本語の話者にとっては大きな壁があります。
また、発音に関しては独学で学べるものでもなく、コツコツ地道に勉強する日本人の文化風習(イメージです。)にとっては、学ぶのも一苦労する部分だと思います。
また、カタカナ英語というものが日本でも増えてきましたが、発音に関して言えば、英語との溝をさらに大きくしています要因となっています。
カタカナ英語のお蔭でカタカナ英語の方が頭に定着しており、例えば「ラ」という言葉に対しても「R」と「L」なのか区別するのが難しくなってしまいます。
発音は絶対に気にした方がよい例
以前日本人を交えた英会話の中で【vowel】と発音したいのでしょうが、【bowel】になってしまっている事がありました。聞いている側からすると、発音が違うと全く違う意味になってしまうので話がチンプンカンプンでした。
日本語に強弱やトーンという概念がない
英語には単語に強弱があり、強弱は文意にも多く影響を及ぼします。また、英語の文章ではトーンがはっきりしています(例. 疑問文の末尾はトーンを上げる。またトーンを使った皮肉なども多く見られます。)。
日本語には強弱やトーンなどが英語に比べると弱く、苦手な英語学習者も多いです。
アルファベットとスペル
最近では、日本でもローマ字を使っているため、アルファベットに対しては抵抗がないかもしれませんが、英語の場合は発音に即していないスペルなどが多く、日本人にとって覚えるのにとても苦労します。
また、発音が分からない場合はさらに、覚えるのが困難になります。
文化的にもかなり遠い国同士である
コミュニケーションには言語だけでなく、その国の文化も大きく影響します。
日本では「お疲れ様」や「よろしくお願いします」など日常的に相手を労う言葉がありますが、英語ではそれらに値する言葉はありません。
実際に同じ意味の言葉を話す時でさえ、日本と欧米では使うタイミングや場面が違う場合が多く、単純に英語だけ学んでも上手くコミュニケーションが取れないのも、日本人は英語が苦手理由の一つかも知れません。
また、高・低文脈文化の違いにより、より複雑・困難性を日本人は持ってしまっています(詳しくは wikipedia-「高・低文脈文化」をご覧ください。)。
高・低文脈文化による違い
日本語「Aさんいらっしゃいますか?」
上記日本語を英語に直訳「Is Mr. A there?」
英語
「May I speak to Mr. A?」
上記英語を日本語に直訳「私はAさんと話したいのですが、話せますか?」
日本語の場合、Mr. Aの存在確認だけを行っており、その結果、話者はMr. Aと何をしたいのかが表現に入っておらず、聞き手が「電話の主はMr. Aと電話で話したがっている」ということを推測する必要がある。
まとめ。それでも英語は必要である。
日本人がいかに、英語が日本の言語構造や文化から見ても習得するのが難しい民族であることがわかったと思います。しかし、それでも英語はグローバル共通語として日本でも必要とされてきています。
わたしたちは、根気強く日々勉強していくしかないのではと思います。必ず勉強をしていれば、習得できるのが語学です。成功イメージを持ちながらがんばっていきましょう!