大学院へは進学すべきか?メリットとデメリットについて進路先別にご紹介します。

みなさんこんにちは、ニキです。

大学生の方で就職活動が近づくにつれて、大学院という選択肢もありなんじゃないかと、悩み葛藤する方も多いのではないかと思います。

私も大学の3回生の時に、就職するか、大学院へ進学するかでとても悩みました。今回は色々なパターンにおける大学院進学についてのメリットとデメリットについて紹介していきたいと思います。

そもそも大学院ってどんなところ?

大学院とは大学の学士を卒業した方が進学するところで、大きく分けて修士課程と博士課程があります。

基本的に、大学院でも講義等もありますが、学士とは違い研究を主に行うところです。

修士課程:卒業要件に論文掲載等はない場合が多いため、普通に勉強し、研究をしていれば2年で修了できる場合が多いです(例外はあり)。

博士課程:順調に成果が出て、論文掲載ができれば最低3年で修了できます。ただし、分野によっては論文が出しにくく、5年以上修了できない場合も多くあります。博士では目に見える学術的な成果を出す必要があります。

大学院進学についての事情(日本+世界)

大学院進学と言っても、分野によって事情がかなり変わってきます。

博士課程について

修士課程ではなく、博士課程まで進む人は、理系、文系問わず、多くはありません。基本的に教授や研究をずっと行きたい人が博士まで進みます。逆に教授になりたい方や研究機関で働きたい人は博士まで取る必要があります。

以下、大学院は教授になるつもりはない修士過程に進むことを指すことにします。

厳しい博士過程の世界

博士課程は生半可な気持ちでなるものではないと感じています。自分自身アカデミーの分野に属していたのでわかりますが、とても厳しい世界です。

理系では大学院進学(修士)は当たり前?

日本の大学における工学系の学生は大学院進学(修士)するのが、当たり前のようになっています。またこの傾向は大学の偏差値が上がる程、割合が多くなってきます。

例えば、国立大学の機械系や電気系の工学部に属している学生では9割以上が進学するのが一般的です。理由は後述します。

同じ理系でも理学部や生物学部になると、進学の割合は減少します。

文系で大学院進学は殆どいない?

理系に対して、文系で大学院進学する方はとても少ないです。MBAを取る方や、弁護士や検事になるために、大学院へ行く人はいますが、進学率は高くはありません。

一方海外では?

理系、文系に関わらず、純粋に研究したい方や優秀な方は進学しています。

大学院にいく事による共通のメリットとデメリット

大学院へ行くメリット

修士または、博士という称号を手にできる!

Master (修士)または、doctor (博士)という肩書を手に入れることができます。大学名に関わらず、大学院まで行っていると聞くと博識だと思われる傾向があります(肩書に見合った能力を磨く必要はありますが笑)。

私も肩書に見合った能力は乏しいですが、修士号を取っといて良かったと思っています。たかが、肩書ですが、一生死ぬまで付いて来ます。修士号は持っていて悪いものじゃないです。

ちなみにアメリカでは
ちなみにアメリカでdoctor (博士号)を取得すると、人の敬称が「Mr.」から「Dr.」に変わります。アメリカでの博士の肩書は日本のものよりも、価値が高いことがわかりますね。
初任給がちょっと高い

大学院を修了してから、企業へ就職すると初任給は学卒に比べて、数万円高いことが多いです。ただ、逆に仕事できないのに、お金をたくさん貰っているプレッシャーも感じることがあるかも?!しれません。

研究の最先端に携わることができる

大学院へ行って私が一番よかったと感じているのは、2年という短い期間ではありましたが、世界の最先端の研究に携われたことです。

企業へ行ってしまうとそうそう最先端の研究に携わるのは難しくなってきます(お金にならない仕事は基本しないため)。

何十年も先の人類に役に立つかもしれない技術や文化的な調査について考え、研究することは大学院でしかできず、とても貴重な経験になるはずです。

普段会えないような人とも会い、刺激を貰える

大学院へ行くと、普段会えないような凄い人たちと会う機会が出てきます。多くの人達と人脈を作り、刺激を貰いながら、2年間勉強できるのは大学院しかなく、とても貴重な経験となるでしょう。

大学院へ行くデメリット

お金が掛かる

まず、第一に大学院は無料ではありません。お金がかかります。国立でも年間60万くらい掛かります。

奨学金は大学院の方が借りやすいですが、修了後返さないといけない借金となるので注意が必要です。大学院へ行ったことで高給取になれるかというと可能性は上がる場合も下がる場合もあるのが実態です(以下進路先別のメリット、デメリットを参照ください)。

社会人と比べた時の2年間の重み

正直、大学院といえども学生です。社会人に比べたら、学ぶスキルの量や知識は圧倒的に劣ると思います(個人的な意見です)。

2年の大学院生活は貴重な経験となるのは間違いないですが、社会人の2年と比べた際に、どっちが成長しているかと考えると、社会人のような気がします。

ただ、比べるモノが大学院と社会人では違うので一概には言えませんが。

ブラック研究室も存在する

研究室によって色々ですが、研究は楽なものではありません。勉強とは違い、答えがあるかも分からないものを追い求めなければ行けません。

時には徹夜続きで体を壊してしまう人も中には多くいます。このような環境に対して適性がない場合はきつく感じ、修了できないかもしれません。

また、中には教授の雑用をかなりやらされる研究室等も多くあります。知識やスキルが身に付かず、ただ働き処か、お金を払って働いているような所もあるので、入る前にはどのような研究室なのかしっかりと調査する必要があります。

進路先にみる大学院進学のメリットとデメリット

ここからは、進学先にみる大学進学のメリットとデメリットを紹介していきます。

日本企業に就職予定の理系大学院進学に関するメリット

理系の工学系では殆どの人が大学院に進学する程メジャーになっている大学も少なくありません。では、一体のどんなメリットがあるのでしょうか?

大手企業に入りやすくなる

大手企業の技術系総合職として入社するためには、学校の推薦が必要な場合がとても多いです。そして、多くの大学で推薦枠は大学院生から優先的に取得するような制度になっています。

そのため、大学院に行くと推薦が取りやすくなり、結果的に大手企業に入りやすくなります。大手企業に入りたい人は迷わず、大学院へ行って良いと思います。

また、大手企業での新入社員は殆ど大学院生なので、逆に学卒で入ってしまうと肩身が狭い場合もあります。

大手企業に入るためには?

日本企業に就職予定の理系大学院進学に関するデメリット

業種によっては、理系の企業でも大学院生であることが逆にデメリットであることがあります。

理系でも金融関係に行きたい場合や、文系就職したい場合は大学院に行かない方が、就職しやすい場合があります(年齢的に)。

日本企業に就職予定の文系大学院進学に関するメリット

一定の職では、必要不可欠

コンサル系に就職したい方は、MBAを取っていると就活の際にとても有利になります。

また、弁護士等になる場合には、司法試験を受けなければならなく、法科大学院を修了しなければ受験資格すらありません。

このように、一定の職に就くためには必要不可欠となっています。

日本企業に就職予定の文系大学院進学に関するデメリット

一般的に文系の大学院進学は不利

前述した職業以外で就職する際は、大学院進学は一般的に不利になると考えられています。

日本の新卒市場では年齢がとても重要になってきます。理系と違い、直にスキルを活かせない事もあり、単純に2年分遅れた学生と見られてしまいがちです。

就活の逃げとして、使う手としては、高い買い物になるはずです。

海外就職を目指す場合

日本ではなく、海外で働く場合や、外資系に就職したい方は大学院へ進学することをお勧めします。

海外では大学院へ進学する人は優秀な人間と思われるケースが多く(実際に海外で大学院を修了するのは日本に比べかなり大変です)、就職し易くなります。

また、日本のように年齢がネガティブに捉えられることが少ないので、可能ならば、大学院へ進学するといいと思います。

さらにビザが取りやすくなる

海外で働くためにはビザが必要ですが、修士号や博士号を取っていると専門性が認められやすくなり、ビザが下りやすいです。

海外は実力主義なので注意も必要

気を付けてほしいのが、海外で大学院を修了するのは、日本のように簡単ではありません。本当に優秀な人が集まっています。

そのため、比較的簡単に卒業できる修士卒で、実力が共わないと大変なことになるかもれません(私のように笑)。

まとめ

以上、色々と書きましたが、大学院へ進学すべきかは大まかに以下の4パターンに分かれると思っています。

教授や研究がしたい方 ⇒ 迷わず、大学院へ

企業に就職したい理系 ⇒ 大学院へいくと大手に行きやすくなる。大手にこだわりがない方は、学部でも問題なし

企業に就職したい文系 ⇒ 一部を除いていかない方が無難

海外就職したい学生 ⇒ 大学院へ行っても損はない

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Nickey

Nickey

愛知県出身で、現在はベトナムのフエに在住。デンソーやNTTデータベトナムを経て、ベトナム法人 HD Global Consulting Co.,Ltd, を設立。 ベトナムから東南アジアを中心とした世界の面白いや少し役に立つ情報を発信しています。ベトナム人の妻を持つパパであり、日々ベトナム語と格闘中。

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