マルチリンガル(多言語話者)を目指す際に気を付けたい問題点をご紹介します。
世界では実はあまり珍しくはないマルチリンガル(一般的に2か国語以上を話せる人のことを指します。)。日本でも英語だけでなく、中国語等の第2言語の重要性を問われるようになってきました。
マルチリンガル(多言語話者)の方にとって、多言語を話す際には脳のなかで2つ以上の言語パッチを切り替えりながら話しているようなイメージになるのですが、コンピューターのように正確に切り替えれない故に、様々な問題点が出て来るときもあります。
今回は、マルチリンガル(多言語話者)を目指す際に気を付けたい、マルチリンガルゆえの問題点を紹介しています。
マルチリンガル(多言語話者)が陥る問題点について
話している言語が違う?
マルチリンガル(多言語話者)の人は話している言語で考え、話すということを行います。基本的には自分が今話している言語を認識しているのですが、稀に英語を話しているつもりなのに、中国語を話していたなんていう状況が生まれます。
仕事などで、多くの言語を常に使っていると、自分の頭から出てきた初めの言語で話初めてしまうことがあるので、一呼吸おいてから、話し始めるなどの工夫が必要となってきます。
言葉が混じってしまう
3つ以上の言語を頻繁に使用している時に、発生しがちですが、その言語を話している途中で、目的語だけ他の言語に置き換わってしまうことがあります。
単語によってはある言語の方が結びつきが強いことがあるため、起きてしまうと考えられます。
時制が混乱する
すべての言語には時制があるのですが、その定義は言語によって多様です。過去や未来、完了形などの時制の考え方や定義は言語によって違います。その言語で考えている未来と他の言語での未来の捉え方が違ったりすることがあります。
英語:完了形の考え方など、日本にはない時制が存在する。
中国語:完了形の考え方はあるが、過去未来には依存せず、動作が完了するかどうかで判断する。
日本語:そもそも完了形と過去形の区切りは曖昧であり、意識しない。
このように、マルチリンガル(多言語話者)は言語によって時間の考え方を変える必要があるのです。しかしながら、上手く言語が切り替わらないと、存在しない表現を表現しようとして、パニックになってしまうこともあります。
言語にまつわる文化の違い
日本語には敬語や謙譲語、丁寧語の概念があるのですが、英語にはそこまで厳密なものはありません(丁寧な言い回しはありますが)。
このように話す相手や人物によって言い回しを変える文化は言語によって違うため、上手く言語が切り替わらないと、とても失礼なことを言ってしまっている場合があります。
マルチリンガル(多言語話者)の言語は均一ではない
マルチリンガル(多言語話者)あるあるなのですが、話せる言語のレベルは均一ではありません。そのため、レベルが低い言語を話しているとむず痒い気持ちになります(十分に表現できないため)。
時にはストレスにもなるので、注意が必要です。
最近では、英語教育を小さい子供の内から学ばせようとする傾向があるようです。ただし、気を付けなければいけないのが、第二言語は絶対に母国語以上のツールにはなりません(林修先生も言っておりましたが)。
そのため、言い換えると第二言語の到達最高点は母国語に左右されると言っても過言ではありません。まずは、母国語を伸ばしていかないと、英語と日本語どっち付かずになってしまいます。
実際にマルチリンガルはいいこともたくさんありますが、その人の言語力に対しては、一つを話している人に比べ弱くなりがちです(多くのマルチリンガル(多言語話者)の外国人を見てきましたが)。
言葉が出てこないことがある
マルチリンガル(多言語話者)は言いたい表現が”その言語にはない”という理由で、出てこないことがあります。
例えば、寿司(Sushi)は今では世界中で通じるようになってきましたが、通じない場合は生の魚をライスで固めたものの上に載せた料理と表現する必要があります(これでも通じるか微妙ですが・・・笑)。
これが寿司(Sushi)という単語を日本語で知ってしまっていると、日本語以外で話している時に、言葉が出ず止まってしまうことがあります。
言語は常に進化している
日本語が日々新しい言葉が生み出されているように、他の言語でも同様のことが起こっています。
現代の言語を学ぶ必要が2倍にもなるので、言語レベルを維持するだけでも大変になってきます。
まとめ
いかがだったでしょうか?マルチリンガルではメリットがある一方、それ故の大変さや問題、ストレス等があるのも事実です。
これらを理解しながら、学習していくことが大事だと思っています。